愛機GRをバッグに忍ばせ、ふと思い立って旅に出た。最近まで異常な夏だと思っていたが突然冬がやってきたような肌を刺す空気感。あれほど暑かった夏が懐かしい。
知らない街に足を踏み入れると、空気の温度や匂い、通り過ぎる人々の表情までもが新鮮に感じられた。GRのシャッターは、そんな一瞬を逃すまいと軽やかに反応してくれる。
路地裏の壁に差し込む朝日、古い喫茶店の曇ったガラス、川沿いのベンチで語り合う学生たち、何気ない光景が、ファインダーを通すとまるで物語のワンシーンのように立ち上がる。撮れば撮るほど「もっと見たい、もっと知りたい」という気持ちが湧き、足は自然と前へ進んだ。
夕暮れ、丘の上の展望台にたどり着いた。金色に染まる街を前に、最後の一枚を切った瞬間、この旅は写真とともに心の中に深く刻まれた。「またGRを連れて旅に出よう」そう思わせるカメラ、まるで小さな巨人である。

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