さて、インスタのDMで一番多かった質問にお答えします。
ひまわりをかっこよく撮る為のカメラの設定と撮影する時間帯。

まずはカメラのワークショップや、大学の非常勤講師の時に最初にするお話。「被写体を知ろう。」これは撮影前に出来るとっても重要な事。相手を知らずに闘うなんて攻略本無しでドラクエをスタートするようなもの。
ひまわりは基本的に、大きくなるまでは太陽の方向を追いかけて成長する。朝は東を向いて、夕方には西の方向を向いている。つぼみが大きくなって花が開くと成長が止まり、そのほとんどが東を向いたままになる。という事は、写真的に考えると太陽が昇り始め、テッペンに行く前、午前中を狙って順光で撮るのがセオリー。夏の日差しをたっぷり使って、ISOは100前後の低めに設定、絞りは思い切ってF8〜16くらいまで絞って、くっきりはっきりと。ひまわりの黄色と夏空の青を表現したいところ。上からたくさんのひまわりを画角いっぱいに撮ったり、ローアングルで下から煽って青い空を入れたり。ワクワクする。

ここまでは講師としてのお話。それじゃぁ、作品になるような写真や、120点の写真を目指すならどうするか?基本をちゃんと理解した上でちょっと変化をつけて行く。例えば撮影時間帯を変える。順光での撮りやすい環境をスパッと諦め、夕方からの逆光になる時間帯を狙う。これはひまわりを正面から撮ると仮定して、午前中背中側に背負っていた太陽が反対側のひまわり側にいるという事。逆光の撮影は被写体が暗く写ってしまうとみんなが思い込んでいるだけで、露出補正で解決できる。露出補正をプラス側に振ることによって被写体はどんどん明るくなり、偶然でもいい、変な光が入って来て、エモいとかいう写真表現が生まれる。ふわふわの変な光込みで撮りたいなら絞りを開放で、画角に太陽を入れて、太陽のまわりにトゲトゲを付けたいならガッチリ絞って。そうだなぁ、絞りF16、シャッタースピードは風があるとひまわりがブレる恐れがあるので1/400くらいをキープしたいところ。ISOは絞りとシャッタースピードと心を合わせて、ISO400〜800前後かな。ISOは日差しの強さに合わせて調整。かなりワクワクする。

100枚撮って75枚の当たりが欲しいなら午前中。いや、100枚撮って1枚大当たりが出れば良い、なら夕方から夜の撮影も楽しい。

さらに攻めたい人向けに。誰もいない夜中のひまわり畑貸切コースがオススメ。人は居ないんだけど、涼しくなって蚊が大量発生するからその点だけは要注意。撮り方は千差万別。色々なアイデアがあるけど言葉で説明するのが困難なので一緒に撮影に行きましょう!なんかストロボ使ったりとか、懐中電灯を使って撮ってみるとか。すっげーワクワクする。

一応上の写真の、使用カメラ、レンズ、撮影設定だけ書いておきます。設定が同じならカメラとレンズ、ストロボはほとんど何でもOK!チャレンジしてみて。

カメラ:Leica M240
レンズ:Leica Elmarit28mm
ストロボ:LightPix Labs FlashQ Q20Ⅱ
絞り:F13
シャッタースピード:1/8
感度:ISO100
ストロボ同調スピード:1/32、後幕シンクロ